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スモールセコンドはムーブメント版“フォティーナ”か? センターセコンドとともに理解する

何世紀もの間、スモールセコンドは唯一の選択肢だった。今日、それは絶滅危惧種となっている......というお話。

現代の時計の特徴として、秒針がムーブメントの中央に配置されていることは当たり前のように知られている。しかし、これは時計の歴史では比較的最近のことである。センターセコンドを採用したムーブメントが続々と登場したのは、20世紀半ばのこと。現在では、ほとんどのムーブメントがデフォルトでセンターセコンドを持つように設計されている。つまり、現代の時計でスモールセコンドダイヤルを見かけたら、それは機械的なマジックが隠されているのかもしれない。

 1940年代以前は、ほとんどの時計がサブダイヤルに秒針を備え、通常6時位置に配置されていた。これは、古典的な時計の輪列のレイアウトによるものだった。秒針を付けたい場合、最も簡単な方法は、輪列に1分間に1回転する歯車を配し、ダイヤル側に軸を伸ばしてプレートへと貫通させ、そこに針を配置する。

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ほとんどすべての時計において、問題の歯車は、輪列の4番めの歯車であるため、“4番車”と呼ばれている。回転する主ゼンマイを収めた香箱はその縁に歯車があり、これが第1の歯車である。これが1時間に1回、センターホイール(ムーブメントの中心にある歯車)を回す。センターホイールは第3の歯車を経由し、第4のホイールを駆動する。4番車は1分間に1回転し、その軸の先に針を付けると秒針になる。つまり、時計の輪列を見たときに4番車を見つけることができれば、秒針がどこにあるかがわかるということなのだ。